近年、アジア太平洋地域における多くの都市が目覚ましい経済発展を遂げていますが、一方で人口増加や都市化が加速し、上下水・廃棄物・エネルギーなどインフラの整備が急激な成長に追いつかず、一部には都市と地方の格差や都市における経済格差などが顕著にみられます。また、同地域は地震・津波・洪水など自然災害が度々発生していますが、特に最近では気候変動の影響とされる台風やサイクロンの強大化により洪水・土砂災害などが増加するなど、都市の安全が脅かされており、これらの状況をふまえた持続可能かつ安全な都市開発やまちづくりが求められています。
国連ハビタットは約30年に及び同地域において自然災害や紛争後の復興事業、また気候変動に対応する大規模な事業や防災政策など都市計画・政策提言事業を多数実施してまいりましたが、同時に現地の人々の暮らしに根差した細やかなコミュニティ事業にも取り組んでいます。
そのひとつが「いのちの水プロジェクト」です。
ネパールやラオスなど、安全な水の安定供給がなかなか叶わず、また先述のような災害に対しても最も脆弱な低所得者コミュニティの多い地域で、コミュニティの皆さんとともに飲用水や生活用水の改善や食糧の確保、廃棄物の安全な処理などを進め、自然環境の保護とともに人々の生活の質の向上を目指しています。この「いのちの水プロジェクト」は、日本の企業・団体・個人様からのあたたかいご寄付や技術・ノウハウのご提供によって長年運営を続けています。