culture 素晴らしい文化

ネワール族の文化と芸術を継承するネパールの美の都 世界遺産 古都パタン

ネパールの古都パタンは別名ラリトプル(美の都)、ネワール語でイェラと呼ばれる美しい街です。ラリトプル市はカトマンズの南バグマティ川の対岸に位置しカトマンズ盆地にマッラ3王国があった時代に栄えた一番古い都市です。カトマンズ、ポカラ、ビラトナガルと並び国内の大きな都市の一つ。この街に暮らすネワール族の8割が彫刻や絵画などの芸術に長けていて、工芸の町としても知られています。パタンの中心にある王宮広場ダルバール広場は16~18世紀かけて造られた旧王宮やいくつもの寺院が並び観光の中心地として知られています。

パタンには寺院などダルバール広場やダルバール広場以外にも見どころがたくさんあります。
・ビムセン寺院 職人や商人を祀る。
・ヴィシュワナート寺院 シヴァ神を祀る。
・クリシュナ寺院 2階にクリシュナ、3階にシヴァ、4階に仏陀(ブッダ)を祀る。
・ハリ・シャンカール寺院 ハリ・シャンカールを祀る。
・クンベシュワール寺院 パタン最古の寺院でシヴァ神を祀る。
・マチェンドラナート寺院 山車祭で知られる寺院。ラト・マチェンドラナート(赤い御神体)を祀る。
・タジュレの鐘 1736年マッラ朝ビシュヌ王により造られた大鐘。
・マハボーダ寺院 高さ30メートル。無数の仏像を刻んだ寺院。
・旧王宮 歴代の王によって建てられた。
一つひとつ違う寺院の建築や軒端の美しい彫刻を見ながら散策するのも楽しいでしょう。

レンガ造りの建物が美しい世界遺産のバクタプル

バクタプルはカトマンズから東へ約12キロ。一度は盆地全域の首都であったバクタプルはカトマンズ盆地で3番目に大きな町です。3王国時代に栄えたネワール族の古都で「帰依者の町」の意味を持つこの町は別名「バドガオン」ともいいます。旧王宮や寺院が多く並ぶダルバール広場は、カトマンズやパタンに比べて観光客も少なく広々としてゆったりした雰囲気です。
バクタプル観光で外せないのはトウマディー広場。18世紀初めに建てられた5層の屋根を持ち、高さ30メートルあるニャタポラ寺院はバクタプルの象徴のような存在です。タチュパル広場はマッラ王朝時代初期以前から一番古い町並みが残っています。 バクタプルの名物は「ズーズー・ダウ」別名「王様のヨーグルト」という意味のヨーグルト。酸味は少なくまろやかでレアチーズケーキにも似ています。観光客は必ず買って帰る名産品です。

カトマンズ盆地の世界遺産 最も古いチャング・ナラヤン寺院

チャング・ナラヤンはカトマンズの町から約20キロの東端の丘に建ち、ヴィシュヌ神の化身であるナラヤン神を祀るネパール最古のヒンドゥー教寺院です。
この寺院はリッチャヴィ期の323年の開基、ネパール寺院の中でも素晴らしい建築技術で現在の建物は1702年に再建されたものです。 赤レンガ積みの建物に囲まれた境内は時代を重ねるうちに様々な祠や石像が加えられ現在の複合寺院となりました。 寺院正面にはマッラ王朝時代のブパティンドラ王とその王妃の像があります。

チャング・ナラヤン寺院は標高1,541メートルに位置しているためカトマンズ盆地全体を見晴らせる絶景の場所として知られています。 カトマンズのバグ・バザールにあるバス乗り場から2時間ほどかかるため、観光客が少なく観光地化していない場所でひっそりとしていますが、一度は行ってみたい世界遺産の一つです。


記事/Tomoko Watanabe