旅をする人にとって地元の料理やお酒は旅の楽しみのひとつではないでしょうか。 ネパールでは宗教上お酒を飲まない人たちもいますが、一方でお酒を飲む文化の民族もいます。実はカトマンズ盆地に住むネワール族はネパールの数ある民族の中でもお酒好きとして知られています。ネパールには様々な伝統的な地酒があります。
ネパールのお酒といえば「ロキシー」
ロキシーとは米やヒエ、トウモロコシなどの穀物から作るネパール焼酎です。度数は40度を超え強いお酒です。ロキシーを蒸留する前のお酒がチャンです。ロキシーは農家でよく作られるお酒。各家庭によって味は違いますが、あまり癖はなく飲みやすいです。外国人向けのお店にはあまり置いてないので、ローカル食堂や現地の家で飲ませてもらうなど、色々な味を楽しむのもいいかもしれませんね。
ネパールのどぶろく「チャン」
チャンとは米や麦を炊いたものに麹を混ぜて数日間、発酵させたものです。夏は一週間、冬は二週間ほど寝かせます。白く濁っていて酸味があり微発砲。アルコール度数はあまり高くなく、甘口でとても飲みやすいです。日本のどぶろく、韓国でいうマッコリに似たお酒です。チャンは家庭でつくるのが一般的。各家庭で作り方は様々。畑仕事の合間に、調子が悪い時など子供が薬代わりに飲んだりもします。
チャンを置いているお店は少ないようです。ネワール族の軽食屋さんやトレッキングの際ロッジなどでチャンがあるか聞いてみるといいかもしれません。
寒い冬にぴったり「トゥンバ」
トゥンバはチベット系の民族が家庭で作る地酒です。キビの実を発酵させて作ります。 お店でトゥンバを頼むとキビが入った木製か金属製の容器とお湯の入ったポットがでてきます。そのお湯を容器にたっぷり入れ、キビからアルコールの「ブクブク」という音が出るまで2,3分待ちます。ストローがついてくるので、ゆっくり吸って飲みます。最初の味はほんのり甘く少し酸味もあり気の抜けたビールのよう。しかし飲み進めるとキレの良いコクに変わって美味しくなります。減ってきたら、またお湯を入れます。3杯くらいは変わらない味で楽しめます。ネパールの寒い冬にぴったりのお酒です。
ネパールに行ったら是非、お酒好きの人はネパールの地酒に挑戦し旅を楽しみたいですね。
記事/Tomoko Watanabe