ヒマラヤ岩塩は、ヒマラヤ山脈近辺で採取される塩、通称ロックソルトと言われています。塩と言えば日本では「海水」から作られるのが一般的ですが、地殻変動などによって隆起した陸地には閉じ込められた海水がたくさん含まれていて、長い年月をかけて乾燥し岩塩となります。ヒマラヤ岩塩の歴史は古く、今から40億年も昔に海水が陸の上で結晶化しました。ここからさらに時を経て、4億年ほど前に岩塩層としてヒマラヤ山脈で取れるようになりました。産地としてはパキスタン産、チベット産のものが有名です。
種類は大きく分けて「ピンク」「ブラック」「ホワイト」の3種類
ピンク岩塩
採掘量が他の岩塩と比べると多く、市場にも豊富に流通しています。食用以外では入浴剤として使うと発汗作用があって老廃物を出してくれるという「デトックス効果」があります。身体を芯から温めてくれて、湯冷めがしにくいという効果があります。また、湯気を吸い込むことは呼吸器にもいいと言われています。ヒマラヤ岩塩は、人間の体内にあるミネラルとほぼ同じバランスを持っており、その為基礎代謝を促進させ腎臓や心臓などの機能がアップし、体内に溜まった毒素を分解する機能を高められます。
ブラック岩塩
岩塩に様々な色がある理由は、岩塩が地中で結晶化していく過程で不純物が混ざることが多く、これに影響されて色が変化しています。濃い色ほど、赤色の酸化鉄の含有量が多くなっています。ブラックの岩塩には、硫黄が含まれているのが特徴です。この硫黄の香りを活かしたバスソルトは、リラックス効果があります。食用として使う場合は、サラダの味付けなどに使うといつもの塩味とは違う風味を楽しめます。
ホワイト岩塩
白い岩塩は、クリスタルソルトとも呼ばれていますが、採掘量少なく、希少価値があります。クリスタルソルトは、自然の力で長い時間をかけて、ゆっくり水分を飛ばして結晶化させるので、他の岩塩より溶けやすい特徴を持っています。成分中のカリウムが少ないので、ブラックとピンク岩塩に比べると味や香りがまろやかに感じます。クリスタル岩塩を食用するときは一緒に果物や野菜との相性が良くカリウムの多いバナナ、メロン、アボカドなどの果実類、ほうれん草などの野菜がおすすめです。
ネパールの岩塩の使い方
ネパールではブラックの岩塩を「ビレヌン」、クリスタルの岩塩は「シレヌン」と言います。「ビレヌン」や「シレヌン」は、アサンやパタンといったネパール・カトマンズの問屋街で、塊のまま袋にいっぱい詰まって山盛りで販売されています。かつてのネパールでは普通の塩が手に入らなかったので、岩塩を毎食の塩分として料理に使っていましたが、簡単に手に入るようになった今では岩塩は食事の風味づけや薬として使われるのが一般的です。ピンク岩塩は市場では見かけますが、意外にもネパール国内ではあまり馴染みがありません。採掘量が多く流通の盛んなピンクの岩塩は、ネパール国外で用途の広がった商品として注目されているようです。
記事/Yu Kondo