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旅行者が最初に覚えて使うネパール語「ナマステ」の奥深い本来の意味

ネパールに旅行すると必ずといっていいほど「ナマステ」というあいさつを耳にすることが多いのではないでしょうか。旅行者が最初に覚えて使う言葉です。ネパールではパルバテ・ヒンズーの母語であるネパール語が公用語として使われています。民族が多く、各民族によって話されている言語や方言は50以上あります。大きく分けると南方のインド・ヨーロッパ語族の諸言語と北方のチベット・ビルマ語族の諸言語に分けることができます。

「ナマステ」の本来の意味とは

「ナマステ」はサンスクリット語。おはよう、こんにちは、さようならなど色々な挨拶に使える言葉として知られています。しかし「ナマステ」という言語の意味や語源を探ると気楽な挨拶とはほど遠い言葉のようです。「ナマステ」は村の日常生活で頻繁に使われるものではなく、あらたまった重い意味をもちます。「ナマステ」の意味とはヒンズー教がジヴァ神にささげる真語「オーム・ナム・シヴァ・ヤ」や日本の仏教の念仏「南無阿弥陀仏」や「南無妙法蓮華経」のナマや南無と同じ語源をもつ帰依、礼拝、敬礼です。ナマステのテはあなたにという意味。あなたの中にある世界(神)に礼拝しますという仏教的な意味も含みます。現地のひとは必ず両手を胸の前で合わせ合掌しお辞儀をします。トレッカーの多い街道の宿場町には必ず「ナマステ・レストラン」、「ナマステ・ロッジ」があり、今では「ナマステ」は知れ渡った国際語です。トレッカーたちは、人とすれ違う度に「ナマステ」とあいさつをします。外国人に慣れている人は軽くあいさつをしてくれます。しかし街道を外れた村で「ナマステ」とあいさつをすると、本来の「ナマステ」を返されて恐縮してしまうそうです。
最近ではネパール人同士でも気楽な「ナマステ」が広まってきているので、旅行の際は是非「ナマステ」とあいさつしてみたいですね。

記事/Tomoko Watanabe