スリランカといえば「セイロンティー」を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。日本でも多く飲まれているスリランカ名産の「セイロンティー」。スリランカが世界に誇るこの紅茶は、かつてセイロンと呼ばれた島で生産された紅茶の総称です。スリランカで紅茶が作られ始められたのは、わずか130年前。セイロンティーの父と呼ばれるジェームステーラーが紅茶産業の基盤を築きました。スリランカの紅茶の生産量は世界第2位。なんと輸出量は世界第1位です。世界でもトップクラスの優れた品質の紅茶の産地として知られています。セイロンティーの特徴はインドなどの紅茶に比べとてもマイルドで飲みやすいです。水色、味、香りの3要素のバランスも良いです。
しかしセイロンティーと言っても種類や味は様々。標高など生産地の違いにより色や味、香りや茶葉の大きさが異なります。天候によっても味が変わり個性豊かです。
「ファイブ・カインズ・ティー」と称されるセイロンティーの5大産地
- キャンディ
分類:ミディアムグロウン(標高400から600メートル)
水色:輝きのある赤色
渋みが少なくとてもマイルド。紅茶らしい香りと香ばしい甘みが広がります 。アイスティーに適しています。 - ヌワラ・エリヤ
分類:ハイグロウン(標高1600から1800メートル)
水色:薄いオレンジ色
スリランカで最も標高の高い産地。強い渋みと高貴な香りが特徴です。ストレートで飲むと香りが楽しめます。 - ウバ
分類:ハイグロウン(標高1400から1700メートル)
水色:赤みの濃いオレンジ色
ハイグロウンの名産地。世界三大銘茶として知られています。最大の特徴はミントのような爽やかな独特の香り。ミルクティーにするのがおすすめ。 - ディンブラ
分類:ハイグロウン(標高1200から1600メートル)
水色:明るいオレンジ色
すっきりと爽やか。ストレートやアイスティーがおすすめ。 - ルフナ
分類:ローグロウン(標高200から400メートル)
水色:深みのある濃い赤色
渋みが少なくコクのある味わい。ミルクティーがおすすめ。ミルクと砂糖を入れると、まろやかになります。
スリランカで最も飲まれている飲み物はやっぱり紅茶。その紅茶の飲み方で一番ポピュラーなのは「キリテ」と呼ばれるミルクティーです。シンハラ語でキリはミルク、テは茶を指しています。キリテの味は砂糖がたっぷり入っているので、とても甘いです。多い人では1日に5回も飲む庶民的な飲み物です。
スリランカの紅茶が美味しいのは、スリランカの地形と気候が紅茶の栽培にピッタリだから。緑の多いスリランカの中でも涼しく雨や霧が多い中央高原地帯は紅茶の栽培に適した環境で非常に良質な紅茶が作られています。セイロンティーと言っても産地によって違う個性豊かな味を色々と楽しめます。様々な紅茶を試して、好きなセイロンティーをみつけるのも良いですね。
記事/Tomoko Watanabe