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幸福に満ちた人生を送るための智慧「アーユルヴェーダ」

「アーユルヴェーダ」という言葉はご存知でしょうか。アーユルヴェーダとは世界3大医学の一つ。サンスクリット語のアーユス(生命)とヴェーダ(科学)を組み合わせた「生命の科学」または「生きる智慧」という意味です。5000年の歴史をもつインド・スリランカ発祥の伝統医療です。日本人は医療というと「西洋医療」を想像するかもしれません。西洋医療はどこか悪いところが見つかると、その病巣に直接働きかける治療法です。アーユルヴェーダは幸福に満ちた人生を送るためにはどうしたらいいのかという智慧の集大成です。病気の治療以外に食事法や養生法に重点を置き、食事や運動、睡眠、精神面などの生き方を見つめ直し病気のもとを断つという考え方です。

アーユルヴェーダの歴史

今から4000から5000年前、ヒマラヤの麓にシリという聖人たちが集まり人々を苦しめる病気を治す方法を話し合ったのが始まりです。この集会に1人のスリランカ人も参加していました。そしてアーユルヴェーダは紀元前3世紀に仏教とともにスリランカに伝来しました。インドとスリランカのアーユルヴェーダの基本的な考え方は同じです。スリランカのアーユルヴェーダは主に仏教とヒンズー教の影響を受け、固有の伝統医療と伝統文化に育まれ発展しました。そして植民地支配により衰退。しかし1928年に伝統医療委員会が設置され、1961年に公的に医療として認められ、1980年に伝統医療省が設立されました。

アーユルヴェーダの基本とは
アーユルヴェーダは病気になった原因が悪くなった部分と考えず、体がバランスを失ったことに根本的な原因があると考えます。私たちの体はヴァータ(風)、ピッタ(火)、カファ(水)の3つのエネルギー「ドージャ」から構成されています。「ドーシャ」とは、不純なものという意味。このドーシャはバランスのとれた状態が健康と位置付けており、バランスが崩れると健康が損なわれると考えられています。それは体調の変化や心身の状態や個人の性質により差があります。

ヴァータ(風)
ヴァータは風と空の要素から構成されています。好奇心が旺盛。活発。新しいことにも対応できますが飽きっぽい面もあります。神経質。ストレスに対する耐性が少なく、心配性。恐怖心が強い傾向。肌が乾燥している。こわごわした髪質。体力がなく疲れやすい。

ピッタ(火)
ピッタは火のエネルギー。火と水の要素からなります。情熱的でチャレンジ精神が強い。完璧主義者。食欲旺盛で食べることが好き。怒りっぽく激情的。記憶力が良い。敏感肌。若白髪,若ハゲの傾向。適度に体力がある。

カファ(水)
カファは水のエネルギー。水と地の要素から構成されています。物静かで落ち着いている。忍耐強い。のんびりして行動力に欠ける。おおざっぱ。鈍感といった面もあります。肌はオイリー。髪の量が多い。体力と免疫力がある。

人間は3つのドーシャを持って生まれてきますが、この3つの中で1つだけ優位という人は稀です。それぞれの特徴を多く持っているかにより、優位な体質が決まります。 アーユルヴェーダはとても奥が深いです。スリランカではアーユルヴェーダは日々の生活の一部。自分がどのドーシャのタイプか知り、日常生活に気を付け幸福に満ちた人生を送りたいですね。


記事/Tomoko Watanabe