1017年から1255年に仏教都市として繁栄を見せたシンハラ王朝の古都ポロンナルワ。 文化三角地帯と呼ばれているスリランカの中央部の3都市アヌラーダプラ、ポロンナルワ、キャンディを結ぶ三角形の内側には多くの遺跡が点在しています。ポロンナルワは1982年に世界遺産に登録されました。 1982年世界遺産に登録されたアヌラーダプラ。今から2500年前に築かれたスリランカ最古の都です。スリランカ史上、最大の仏教都市。世界有数の大遺跡群が残るエリアを「文化三角地帯」といい、ちょうど三角形の頂点にあります。仏教はこの地からスリランカ全土に、世界各地、ミャンマー、タイ、カンボジアへと広がりました。この地に栄えた王朝は非常に高度な文明をもっていました。紀元前3世紀デーワ―ナンピヤ・ティッサ王の時代、インドのアショーカ王の息子によって初めてスリランカに仏教が伝えられ、大いに栄えました。この頃、インドのブッタガヤから菩提樹の分け枝が運ばれました。この地が「聖地アヌラーダプラ」としてあがめられるのは「スリー・マハー菩提樹」と呼ばれる一本の菩提樹のためです。2300年に渡り生命を宿す菩提樹には仏陀の魂が宿っていると信じられています。その後1400年もの間、仏教や政治の中心として栄えましたが、侵略時代が続き幕を閉じました。 1017年から1255年に仏教都市として繁栄を見せたシンハラ王朝の古都ポロンナルワ。 文化三角地帯と呼ばれているスリランカの中央部の3都市アヌラーダプラ、ポロンナルワ、キャンディを結ぶ三角形の内側には多くの遺跡が点在しています。ポロンナルワは1982年に世界遺産に登録されました。
遺跡地区の歩き方と見どころ
アヌラーダプラの町は3つのエリア、新市街、旧市街、遺跡地区に分かれています。アヌラーダプラを訪れたら、遺跡地区の遺跡を見るのに、ゆっくり時間をかけて訪れるのがおすすめです。南北5キロメートル、東西2キロメートルとかなり広いエリアです。ほとんどの宿では自転車を貸し出しています。遺跡地区を見学するには、チケットが必要。遺跡巡りは「イスルムニヤ精舎」か「スリー・マハー菩提樹」から始めるのが一般的です。
イスルムニヤ精舎
イスルムニア精舎はスリランカ最初の仏教寺院です。本堂は大きな岩肌を彫って作られており、通称「ロック・テンプル」と言われています。極彩色に塗られた仏像を据えた本堂や貴重な発掘物を保管する宝物館があります。本堂は比較的新しいもので、そこに据えられている仏像は、東京浅草寺の援助で色の塗り替えを行ったそうです。本堂脇にある宝物殿には王宮庭園で発見されたという「恋人の像」と「王族の像」があります。
スリー・マハー菩提樹
イスルムニア精舎から北に約1.2キロメートル。アヌラーダプラを仏教の聖地として位置づけているのが「スリー・マハー菩提樹」です。デーワ―ナンピヤ・ティッサ王がインド・ブッダガヤの菩提樹の分け木を植樹しました。19世紀に入って菩提樹を野生動物から守るために周りに石台や鉄柵が作られ、白壁の中に祀られています。現在も多くの巡礼者が祈りをささげに来ます。
トゥーパ―ラーマ・ダーガバ
アヌラーダプラではスリー・マハー菩提樹と並ぶ聖地。デーワ―ナンピヤ・ティッサ王時代に建てられた最古のものです。トゥーパーラーマ・ダーガバはベルシェイプ(釣鐘型)の高さは19メートルの白いダーガバ(仏塔)です。ダーガバには仏陀の右鎖骨が祀られています。
アヌラーダプラには他にもアヌラーダプラのシンボル「ルワンウェリ・サーヤ大塔」やスリランカ随一の美しさのガードストーンがある「ラトゥナ・プラサーダ」など見どころが盛りだくさんです。じっくり時間をかけて紀元前から栄えた仏教の都「アヌラーダプラ」の遺跡を巡りたいですね。
記事/Tomoko Watanabe