スリランカのキャンディはシンハラ王朝最後の都として栄えた古都。周囲を山々に囲まれた狭い盆地にあり、スリランカの中央部に位置します。1815年にイギリスの植民地となり王朝が滅びるまでの300年以上の間、シンハラ文化に華を咲かせました。現在は全街体が世界遺産に登録されています。
キャンディの歴史
シンハラ王朝は紀元前にアヌラーダプラに最初の都をおきました。そしてインドからの侵入に追われて遷都を続けました。1474年、キャンディは周囲を山に囲まれた盆地であったため、この地に落ち着きました。しかし近代に入り再び外からの敵と攻防を繰り返すようになります。1505年、ポルトガルが植民地支配を始めましたが、シンハラ王朝はオランダと組みポルトガルを追放しました。やがて貿易権をめぐり対立が起こり、今度はイギリスと組みオランダを追放しました。その後、イギリスによりシンハラ王朝は滅びます。
キャンディは仏歯寺以外にも魅力がいっぱい
キャンディというと「仏歯寺」が有名ですが、他にも「キャンディ湖」、「ペラヘラ祭り」、「キャンディアン・ダンス」、「キャンディマーケット」など魅力がいっぱいです。
仏歯寺
仏歯寺はキャンディ湖のほとりに建つスリランカの代表的な仏教寺院です。お寺の敷地は広大で、仏歯が祀られた本堂やシンハラ建築様式の美しい八角形の堂や仏陀の座像、象の剥製がある展示室など見どころ満載です。寺院内にある仏歯は紀元前543年にインドで仏陀を火葬した際に手に入れたものです。1590年、キャンディに仏歯が運ばれました。仏歯が祀られた祭壇で、1日に3回のプージャー(お祈り)があり、その際に扉が開き、仏歯の入った金の入れ物を見ることができます。このお寺にはいつも多くの参拝者が訪れ賑わっています。
キャンディ湖
キャンディ湖はキャンディ市内の中心部にある湖。実は王朝最後の王スリー・ウィクラマ・ラジャシンハにより12年かけ造られた人造湖です。王朝時代、中央に浮かぶ島と市内はトンネルで繋がっていたそうです。現在は地元の人や観光客の憩いの場となっています。
ペラヘラ祭り
ペラヘラ祭りはアジア3大祭りのひとつ。始まりは紀元前3世紀。スリランカ最大のお祭りです。仏歯の入った舎利容器を載せた煌びやかな衣装と装飾に身をまとった象がキャンディ市内をダンサーと一緒に練り歩きます。
キャンディアン・ダンス
キャンディアン・ダンスはスリランカを代表する芸能です。正式にはウダ・ラタ・ナトゥム(高地の踊り)といわれています。王朝時代の最大の目的は悪霊払いでした。健康や繁栄、病気よけを目的とする祭りの際に宮廷で行われた儀式です。 現在はメインのダンサーが12から13メートルの紅白の布を腰に纏い、頭に飾りを被り、胸にはビーズの飾り、耳輪、ブレスレットなどをつけ、年に1度の大祭、ペラヘラ祭りやショーなどで踊ります。
キャンディマーケット
キャンディマーケットは、キャンディで最も大きく、賑わいを見せる市場です。2階建てのビルで、1階には果物や野菜、肉や魚、スパイスなどの食料品。2階には洋服や鞄、お土産などのお店が並んでいます。
街全体が世界遺産に登録されているスリランカ。 古き良きスリランカの雰囲気を残す街キャンディをゆっくり巡りたいですね。
記事/Tomoko Watanabe