culture 素晴らしい文化

かつてはフラミンゴの大群で有名だった世界遺産「ナクル湖国立公園」

African safari, flamingos in the lake Nakuru, Kenya

2011年に世界遺産に登録された「ナクル湖」。グレート・リフトバレー(大地溝帯)内にある湖の中のひとつです。ナクル湖はナイロビから約160キロ北にある面積40平方キロメートルほどの小さく浅いアルカリ湖です。かつてはアルカリ性の湖に発生する藻を求め飛来する数百万羽というフラミンゴの大群で有名でした。しかし残念なことに2000年以降は異常な水位の上昇により水質が中性化し藻の生育を阻害したため、飛来するフラミンゴは激減してしまいました。以前ナクル湖の湖畔にいたフラミンゴは地溝帯のいくつかのアルカリ湖に移動しています。その中のひとつ「ボゴリア湖国立保護区」はナクルから約60キロメートル東北に位置します。この湖は150平方キロメートルと面積はやや小さいです。そして、ボゴリア湖の魅力は間欠泉。湖の中央にあり、周辺には20以上もの間欠泉があります。塩水湖に温水が流れると、ミネラルや栄養を含む藻やプランクトンが良く育ちます。そのため、フラミンゴにとって餌が豊富な良い環境となります。

rhino in lake nakuru national park, kenya

ナクル湖はフラミンゴが激減してから、以前には見られなかった野鳥が増え、多くの鳥類が生息するようになりました。また、ヒョウやライオン、クロサイ、シロサイ、ロスチャイルドキリンなどの多くの哺乳類も生息しています。湖の周りには柵が張られ、野生では絶滅したり数が少なくなったりした動物の保護なども行っています。園内にいるシロサイの群れはケニア国内最多です。ナクル湖の魅力は野生動物を間近で見ることができるということです。

環境の変化によりナクル湖のフラミンゴの大群が激減してしまったことは残念ですが、是非一度、間近で野生動物を見たいですね。

記事/Tomoko Watanabe