ケニア産のバラは主にヨーロッパに輸出されています。そのため日本ではケニア産のバラはあまり馴染みがないかもしれません。ケニアの主要産業はコーヒー、紅茶、園芸作物です。ケニアの農業はケニア経済の動力源になっています。観光、紅茶に次いで3番目に大きな産業です。また国策としての外貨獲得のため、バラを中心に切り花の生産や輸出を振興しています。オランダ、コロンビアに次いで、ケニアは世界第3位の切り花の輸出大国。ケニアで栽培されている切り花はバラやカーネーション、アルストロメリアなどです。そして近年はとりわけバラの輸出が好調です。バラは切り花の中でも世界中で需要があり、消費量が多いです。ケニアのバラ栽培の発祥の地と言われている「ナイバシャ」。ナイバシャ湖周辺のエリアには多くのバラ園があります。ケニアのバラの特徴は他のバラと比べ、個性豊かな柄、茎の太さ、花の大きさ、生命力です。
切り花生産の歴史
1970年代、ケニアの切り花生産は気象条件や低賃金の労働力を契機にカーネーションの栽培から始まりました。1980年代に入るとバラの生産が急速に増加し始めました。その後、バラの生産は1987年EU指導の基、補助金を用いて本格的に開始されました。
ケニア産のバラが高品質な理由
バラは品種によって好む環境は異なります。ケニア山の麓の標高は2300メートルほどの高地。朝晩の寒暖差が激しいため、色鮮やかで大きな輪のバラが栽培されます。そのため、通常のバラの1.5倍から2倍の大きさがあります。また、赤道直下なので日照時間が長く多くの日を浴びることができます。バラにとっては最高の条件。これらの条件が重なり、高品質なバラが育ちます。花の持ちも良く1から2週間と長いです。険しい環境を生き抜いた魅力ある個性的なバラはアフリカの大地が育む生命力によるものなのです。
記事/Tomoko Watanabe