culture 素晴らしい文化

世界遺産は9カ所 83もの民族から構成された多民族国家 エチオピア 

エチオピアと言えば、やっぱり「コーヒー」。コーヒー発祥の地として有名です。 エチオピアの正式国名は「エチオピア連邦民主共和国」。首都は「アディスアベバ」。アフリカ大陸の東部にありアフリカの角と呼ばれている地域に位置します。国土の大半が高地にあります。首都のアディスアベバの標高は約2,400メートルもあり、年間の平均気温は約18度です。面積は約109.7万平方キロメートル。日本の約3倍の広さがあります。人口は約1億1207万人です。言語はアムハラ語(独自の文字をもつ)が公用語です。州ごとに公用語が決められており、各民族が固有の言語をもっています。主要言語は他にオモロ語やティグリニャ語があります。エチオピアは多民族国家です。オモロ人、アムハラ人、ソマリ人、ティグライ人など83の民族から構成されています。宗教はキリスト教とイスラム教がほぼ人口を2分しています。

エチオピアの国旗の意味

エチオピアの国旗の中央の紋章は国家、国民の輝かしい発展を象徴した「ソロモンの星」です。青い地色は平和を表しています。緑色は肥沃や富を、黄色は信仰と宗教、赤は国民の勇気と情熱と血を表しています。エチオピアはアフリカで最も長く続いている独立国のため、国旗に使用されている緑、黄、赤色の3色はアフリカの色としてアフリカ諸国の旗に多く取り入れられています。そして現在の国旗は連邦民主共和国が成立した翌年1996年に制定されたものです。

エチオピア9カ所の世界遺産

1 ラリベラの岩窟教会群
 1978年に世界遺産に登録。ヨルダン川を境に2つの教会群に分かれています。
12の教会からなる岩窟教会群は現在も人々の信仰の場として使用され多くの信者が訪れます。
2 シミエン国立公園
 1978年に世界遺産に登録。エチオピア北部のゴンダール州にあります。標高4620メートルあるエチオピア最高峰のラス・ダシャン山を中心とした国立公園。
3 アクスム
 エチオピア北部のティグレ―地方にある街。7世紀頃まで海上貿易の貿易国として栄えアクスム王国の中心地でした。アクスムには多くの歴史的重要な考古遺跡群が残っています。
4 アワッシュ川下流域
 350万年前のアウストラロピテクス・アファレンシスの化石が発見されたため、1980年に世界遺産に登録されました。他にも多くの化石が発見され、考古学的にとても貴重な場所になっています。
5 オモ川下流域
 1980年に世界遺産に登録。1930年代から発掘調査が行われ、アウストラロピテクス・エチオピクスやアウストラロピテクス・アフリカヌスやホモ・エレクトス、ホモハビリスなどの化石が発掘されました。
6 歴史的城塞都市ハラール・ジュゴル
 2006年に世界遺産に登録。エチオピアの東部に位置しています。ジュゴルとは城壁を意味します。現在もハラールの街は城壁に囲まれています。
7 ゴンダール地域のファジル・ゲビ
 1979年に世界遺産に登録。ゴンダールは1632年から1769年にかけてエチオピアの首都でした。エチオピアの北西に位置し、小高い丘に宮殿が建ち並んでいます。
8 ティヤ 
 ティヤはグラジェ族が住む人口3300人ほどの村です。エチオピアの中部から南部にかけ一枚岩で造られた石碑が多くあります。1980年にその中の36の石碑が世界遺産に登録されました。
9 コンソの文化的景観
 2011年に世界遺産に登録。エチオピアの南西部には多くの部族が暮らす南部諸民族州があります。その中のコンソは独特の文化をもつ村落が点在します。コンソ地方の高地にある要塞化された集落で農耕を中心に昔ながらの生活をしています。

エチオピアは80以上の多くの民族が暮らし、それぞれ独自の文化をもっています。9カ所もの世界遺産や豊かな自然もあり、素晴らしい景観が広がる魅力的なスポットが盛りだくさんです。

記事/Tomoko Watanabe