「ブルーナイルの滝」はエチオピアのタナ湖の最南端にある人気観光スポット。ナイル川はアフリカ大陸を南北に流れ、長さは約6650キロメートルもあり世界最長の河川です。なんと11か国もの国を通り最後はエジプトを通過し、地中海に流れています。ナイル川は「ブルーナイル」と「ホワイトナイル」の2つの支流に分かれています。「ブルーナイル」は全長1600キロメートル。エチオピア最大の淡水湖のタナ湖から流れています。ブルーナイルは途中スーダンの首都のハルツームでホワイトナイル川と合流し、本流のナイル川になります。ブルーナイルにはブルーナイルの源流の滝があります。滝の別名はアムハラ語で「ティシィサット」。火の煙という意味です。高さ約45メートルから流れる滝は大迫力。雨季になると水かさが増すので、滝の幅はなんと400メートルにもなります。しかし、最近ダムができて水量が減少してしまいましたが、日曜日にはダムの放流があるため、水量が増えます。ブルーナイルの源流のタナ湖の南岸には「バハルダール」という街があります。標高は1880メートル。人口は約20万人。綿工業が盛んです。タナ湖は面積が約3600平方キロメートル。37の小さな島が点在し、この島には、合計21カ所の修道院やエチオピア正教の教会があります。
ナイルの水争い
ギリシャの歴史家へロドスの「エジプトはナイルの賜物」の言葉から、多くの人々にとってナイル川というとエジプトを意味します。そのエジプトが長年ナイル川を独占していた歴史があります。そのような中、2011年にエチオピア政府がGERD(大エチオピア・ルネサンスダム)を発表して以来、エジプトはナイル川の水に90パーセント以上依存しているため、エチオピア、エジプト、スーダンの間でナイル川の水の争いが起こっています。地方住民にとって半数以上が農業で生計をたてているエジプトにとってはダムの建設は深刻な問題です。ダムの建設が始まってからは、急速に3か国の関係が悪化してしまいました。しかし2020年には米国や世界銀行も入り協議が再開。
今後、この「水の争い」がどのようになるか注目です。
記事/Tomoko Watanabe