エチオピアの飲み物と言えば、やっぱりコーヒーを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。エチオピアはコーヒーの原産国として有名です。原産国だけあり、古くからコーヒーを飲む習慣があります。コーヒーセレモニーという伝統的な儀式まであります。しかし、実はコーヒー以外にもエチオピアにはユニークな飲み方の飲み物がたくさんあります。
「塩コーヒー」
エチオピアではもともとエチオピア産のコーヒー豆のモカ・シダモが非常に強い酸味がある品種なので、酸味をなくすために伝統的に塩を入れて飲む習慣があります。ひとつまみ塩を入れることにより甘みを引きたてまろやかな味わいになります。日本では全く馴染みのない塩コーヒー。塩は代謝を上げ身体を温める効果が。そんな塩コーヒーですが、実は腸内の環境を整え、腸の働きが活発になることにより、ダイエット効果もあると言われています。
蜂蜜酒「タッジ」
「タッジ」とはエチオピアの蜂蜜酒。ゲジョと呼ばれる木の枝を煮出した汁と蜂蜜を混ぜて発酵して造られたものです。発酵する時間によってアルコール度数や甘みが変わります。長時間発酵すると、アルコール度数が高くなり甘みは少なくなります。色は黄色で、味はほのかな酸味を含み蜂蜜の甘さがあります。タッジはタッジバーやレストランで見られますが、多くの家庭でも作られています。タッジはフラスコ型の容器に入れて飲みます。かつて高級酒として王侯貴族に飲まれていました。
「チマキ」
エチオピアのフルーツジュース。オレンジやグアバ、パパイヤ、アボガドなどの果物をミキサーにかけ、層にした生ミックスフルーツジュースです。それぞれの果実が層になりカラフルで見た目もきれいです。ほとんど水を混ぜないのでとても濃厚です。スプーンですくって飲みます。
「パルショータ」
モロコシとトウモロコシを原料としたエチオピアの醸造酒。エチオピア南部の標高2000メートルの山岳地帯に住む民族「デラシャ」は、なんとこの「パルショータ」を主食としています。一日当たりに飲む量は5リットルほど。その他の食事はほとんど食べません。驚くことに子供もアルコール度数の低い「パルショータ」を飲んでいます。このような食習慣は世界的にみてもとても珍しいです。
このようにエチオピアには多種多様な飲み物を飲む習慣があります。是非一度エチオピアに行った際には飲んでみたいですね。
記事/Tomoko Watanabe