ネパールは多民族国家なので、様々な民族衣装が存在する
ネパールの女性が着る主な服は、サリーかクルタ・スルワールです。既婚女性はサリー、未婚女性はクルタ・スワールを着ます。サリーは、民族、地形、気候によって違いがあります。普段着としてはクルタ・スルワールが有名です。普段着から正装までと幅広く使えて、動きやすいのが特徴です。この民族衣装は、丈の長いチュニック(クルタ)とズボン(スワール)、ショールの3点セットが基本になっています。ちなみにサリーは、サンスクリット語で「細長い布」を意味します。
サリーは、インド、ネパール、スリランカ、バングラデシュ、パキスタン南アジア地域の女性が着用する民族衣装です。ネパールでは普段着から正装まで用いられます。サリーは、約5.5メートルの1枚の布で縫い合わせていないという点が大きな特徴です。結婚式の時には、花嫁だけでなく、招待客も普段よりも豪華なサリーを着て行くのがマナーになっています。
サリーの着装法
サリーはそれだけでは着る事はできず、下着としてチョリ(短い丈のTシャツのようなもの)とアンダースカートのペチコートが必要です。平均120×555センチの布を、器用にくるくる身体に巻きつけるようにして着用します。余った布を肩にかけると完成です。肩に掛けられた布は、彼女たちを美しく見せる装飾です。日々の暮らしの中で便利な着方は、肩にかけた部分を広げると、日差しが強い日に上半身を覆って日よけに、突然の雨が降ってくれば袖の部分を頭にかぶると傘がわりにもなります。
サリーの色やデザイン
サリーは、様々な素材の5.5メートルの生地に刺繍、ビーズ、ミラー等で飾りつけのデザインがあり、女性の優雅さと美、富を象徴しています。綿、ポリエステル、シルク、シフォンがあります。色や模様によって使いわけられています。冠婚葬祭では、既婚女性は、赤いサリー。未亡人は、白いサリー。未婚女性は、白と赤以外のサリー。ネパール人が好きな色は、どの民族でも赤が好まれる傾向です。
昔のメイン服はサリーだった
昨今のネパールの若者は、日本と同じような洋服を着る人も増えてきました。一昔前までは、既婚女性の普段着はサリーでしたが、最近では着付けが簡単なクルタ・スルワールが日常生活で着られるようになりました。首都カトマンズでは、若者たちを中心にスキニージーンズや、レギンスと合わせて着るのが流行っています。
記事/Ami Inoue