「ラオス」の正式国名はラオス人民民主共和国。ラオスは中国、ベトナム、カンボジア、タイ、ミャンマーと接し東南アジアの内陸部に位置しています。ラオスの象徴といえば、インドシナ半島を南北に流れる東南アジア最大の「メコン河」。ラオスは開発が進んでいない地域が多くあるため、北部には山岳地帯や高原地帯、南部にはアンナン山脈など、豊かな自然に恵まれています。1953年にフランスから独立した後、ベトナム戦争の影響を受けた戦争が終結した1975年にラオス人民民主共和国が誕生しました。
首都はビエンチャン。面積は日本の本州とほぼ同じ24万平方キロメートルですが、人口は約700万人です。ラオ族が全人口の約半数以上を占め、その他中国系やインドネシア系など50以上の民族が暮らす多民族国家です。宗教は仏教徒が90パーセント以上を占めています。公用語はラオス語ですが、各民族が独自の言語を使用しています。
国名の由来
「ラオス」は国民の過半数を占めるタイ系種族のラオ族の名前に由来し、ラオスの「ラオ」は「人間」、「ス」は複数形を表し「族」という意味です。
国旗の由来
ラオスの国旗は1975年に王政が廃止され、ラオス人民民主共和国が誕生した際に採用されました。国旗の「赤」は革命で自由と独立のために流された血を、「青」はメコン河と国の繁栄を、白の円は満月を表し平和と共産党政府下の統一性を象徴しています。
ラオスの世界遺産は3カ所
1 ルアン・パバーンの街
1995年にラオスで初めて世界遺産に登録されたのが、ルアン・パバーンです。ラオス北部にあるルアン・パバーンは街全体が世界遺産になっています。この街は70以上もある仏教寺院やラオス伝統の高床式建物、コロニアルな建造物が混在しています。街の規模が小さいので歩いて観光できるのも特徴です。
2 チャンパ―サックの文化的景観にあるワット・プーと関連古代集落群
2001年にラオスで2番目の世界遺産に登録された、ラオス南部にあるラオス第2の都市パクセーにクメール族によって建てられたヒンドゥー寺院の遺跡群です。アンコールワットよりも古く歴史のある遺跡で、観光スポットとして注目されています。ワットは寺、プーは山を意味しています。
3 シェンクワーン県ジャール平原の巨大石壺遺跡群
2019年に新しく世界遺産に登録。ジャール平原には1000個以上の円筒状の巨大石壺があたり一面に広がっています。何の目的で造られたか謎は解明されていませんが、石壺は遺体を埋葬する石の棺として用いられたと考えられています。
過去にニューヨークタイムズで「世界で最も行きたい国」にも選ばれた国「ラオス」。ラオスは東南アジアで唯一海がない内陸国でありながら、豊かな自然や様々な民族が育んだ独自の文化など魅力が多い国です。世界中の人々がラオスを訪れたくなる観光スポットも盛りだくさんです。
記事/Tomoko Watanabe