culture 素晴らしい文化

ラオスのルアンパバーンは街全体が世界遺産

1995年にラオスで初めて世界遺産に登録された「ルアンパバーン」。ラオスの北部にある人口約6万人の古都で観光の中心地です。ルアンパバーンはラオスの首都ビエンチャンからメコン川を約400キロメートルさかのぼった支流ナムカーン川に囲まれた場所に位置しています。東西に約2キロメートル、南北に約1キロメートルの小さな街全体が世界遺産です。この狭いエリアには多くの仏教寺院が点在。見どころも盛りだくさんです。

托鉢(たくはつ)
1353年に現在のラオスの祖となった「ラーンサーン王国」が都をここに置きました。仏教が国の基本と定められて、多くの仏教寺院が建立されました。1560年には首都がビエンチャンに移りましたが、その後も伝統と生活様式を守り続けました。現在も生活様式は変わらず、早朝から各寺院の僧侶が喜捨(金品の寄付)を求め、街を練り歩く「托鉢(たくはつ)」が行われています。ルアンパバーンの托鉢はラオスで一番規模が大きく、ルアンパバーンの代名詞とも言えます。

ワット・シェントーン
ルアンパバーンのシンボルと言えば「ワット・シェントーン」。ラオスの寺院の中で一番美しいとされる寺院です。1560年にセーターティラート王によって建立されました。本堂は屋根が軒に向かって急な斜面になっているという特徴があり、屋根は折り重なった9枚で構成された「ルアンパバーン様式」の建物です。壁面は黒に塗られ伝説上の動物が描かれています。本堂の北側に設置された象の鼻は水道管につながっています。4月のピーマイ・ラーオ(ラオスの正月)には、象の鼻から水が出てくるため、多くの人が集まります。

プーシーの丘
夕日の名所として知られる「プーシーの丘」。328段の階段を上り、小高い山の上に行くとメコン川とナムカーン川の間に広がるルアンパバーンの街並みを360度、見渡すことができ、天気が良ければ美しい夕日を望めます。この丘はアマ・ルーシーとニョティカ・ルーシーという仙人が神様に導かれ、このルアンパバーンの街をつくったという伝説があります。その伝説から「仙人(ルーシー)の山(プー)という名がつきました。

クアンシーの滝
ルアンパバーンの郊外にも見どころがあります。「クアンシーの滝」はルアンパバーンから南に約30キロメートルの場所にある滝。メコン川の支流に位置しています。乾季には美しいエメラルドグリーンの水を見ることができます。雨季になると水量が増えるため色が濁ってしまいますが迫力満点です。滝は見るだけでなく、指定エリアで水着を着て泳ぐこともできます。

街全体が世界遺産に登録されている「ルアンパバーン」は、何度も訪れたくなるおすすめの街です。絶景や伝統文化など、東南アジアのゆったりとした時間を楽しむことができるラオスの古都「ルアンパバーン」に是非一度、訪れてみたいですね。
記事/Tomoko Watanabe