日本人にはあまり知られていない「ラオス料理」 ラオスは国土の80パーセントが山岳地帯です。東南アジアで唯一、海がない内陸国なので、食材は山や川でとれる肉や野菜や川魚が中心です。ラオスの食文化は、国境を接している中国やタイ、ベトナムの影響を受けていますが、ハーブなどを使った素朴でシンプルな料理が多いという特徴があります。そしてフランスの植民地の時代もあったため、フランスの食文化も混ざっています。
ラオスの主食は「カオニャオ」と呼ばれるインディカ種のもち米です。「カオ」は米という意味。なんと米の1人あたり1日の消費量が世界ランキング第2位です。意外にも日本は第50位。また、米粉の麺「ライスヌードル」もポピュラーです。主食の「カオニャオ」は竹で編んだ「ティップ・カオ」という籠に入れます。カオニャオの食べ方はティップ・カオからお米をひとつかみ取り、軽く握って固めてくぼみを作り、そこにおかずを挟み込んで食べます。手で食べるのがマナーで「カオニャオ」はラオス料理とよく合います。「カオニャオ」は一人一人別々で、おかずは大皿に盛られたものを取り分けるのが、ラオスでの食事のマナーです。
ラオスの代表的な料理を紹介
ラ―プ
ラオスを代表する肉料理。鶏や豚のひき肉を炒めて、レモングラス、にんにく、ミントやパクチーなどのハーブやスパイスで和えた料理です。スパイシーなのが特徴。ビールにとっても合います。お祝いにも欠かせない料理。
カオチー
カオチーとはパンという意味。ラオスの名物フランスパンのサンドイッチです。フランスの植民地だったため、フランスパンが広く浸透しています。中身は青パパイヤのささがき、チキンやハム、ひき肉、卵、チーズ、パクチー、キュウリ、など入っています。一番の特徴は青パパイヤのささがきです。ベトナムのバインミーに似ています。
カオ・ピヤック・カオ
カオはお米、ピヤックは濡れたという意味です。鶏の出汁が効いたラオスのおかゆ。朝食の定番です。
カオ・ソーイ
ルアンパバーンなどの北部限定の名物肉味噌麺です。お米から作った平たい麺に豚のひき肉やにんにく、トマト、唐辛子、玉ねぎなどが使われた、スパイシーなのが特徴の麺です。麺類には付け合わせに生のもやしや香草類が付いてきます。麺に入れたり味噌につけて食べたりします。
タム・マークフン
ラオスを代表する料理。青パパイヤを細く切りトマトなどの野菜を、発酵させた魚のエキスで和えたスパイシー青パパイヤサラダです。
ピン・カイ
ピンは焼く、カイは鶏肉という意味です。ナンプラー、唐辛子、にんにく、砂糖などを合わせたタレに漬け込み炭火で焼くラオス風焼き鳥です。レストランや屋台ではバナナの葉に包まれて出てきます。
日本ではあまり馴染みのないラオス料理ですが、ラオスは北に中国、東にベトナム、西にタイが隣接しており、料理がおいしい国に囲まれています。そしてフランスの植民地でもありました。各国の美味しいものを持ち合わせたラオス料理が美味しくないはずがありません。特にもち米は絶品。実はどの料理も日本人の口によく合います。そんなラオス料理を現地に行く機会があったら、是非食べてみたいですね。
記事/Tomoko Watanabe