コーヒーの産地といえば、ブラジルやコロンビアが有名です。ラオスのコーヒーは日本ではあまり知られていませんが、注目のコーヒーの産地となっています。
世界のコーヒーの需要は増加を続けていますが、将来的に気候変動による栽培適地や生産者の減少により生産が追いつかない状況が予想されています。そのような中、ラオスコーヒーの歴史は浅いですが、コーヒー栽培の最適な土地のため注目されています。
ラオスコーヒーの歴史
1915年にフランスからコーヒーノキ(コーヒーの木)が持ち込まれたのがラオスコーヒーの始まりです。当初はラオスの政治事情や内戦によりコーヒー産業は発展しませんでした。むしろベトナム戦争中は多くの爆弾が投下されたことで、壊滅的な状況に追い込まれています。しかしラオス政府がコーヒー産業を復興させるために改革支援を始めたことで、状況が好転しました。そして2000年頃に生産者が小規模農園とフェアトレード契約(発展途上国で生産された製品を適正な価格で継続して取引を行うこと)を結び、現在、「ラオスコーヒー」はベトナムや中国、日本などに輸出されるまでに成長しました。
ラオスのコーヒー豆の栽培
ラオスのコーヒー豆は南部にあるボロウェン高原で全体の約9割の栽培が行われています。ラオスの気候は雨季と乾季のあるモンスーン性気候。温暖であると同時に昼夜の気温差が大きく、湿度や降雨量、火山灰性の土壌などの条件が、コーヒー栽培にとても適しています。ラオスでは、アラビカ種とカネフォラ種(ロブスタ種)のコーヒー栽培が行われています。小規模農園では無農薬での栽培がほとんどで、手作業で栽培や収穫が行われています。収穫期はアラビカ種が11から12月頃、カネフォラ種は1月頃です。近年までは長らくカネフォラ種が栽培されていましたが、高品質なコーヒーの需要が高まり、ラオスでもアラビカ種の栽培が増えました。アラビカ種のほとんどは、外貨を獲得するため、他国に輸出されています。ラオス国内ではカネフォラ種の消費が多いです。
おすすめのラオスコーヒー、その美味しい飲み方
ラオス流のコーヒーには、少し変わった飲み方があります。その飲み方とは、なんとたっぷりとコンデンスミルクを加えたコーヒーと一緒にジャスミンティーも飲むというもの。甘いコーヒーとあっさりとしたジャスミンティーのコラボが楽しめます。 「ラオスコーヒー」は香り豊かで、マイルドなコーヒー。程よい酸味と甘みがあり、すっきりとした味が特徴です。中深煎りで中挽きにし、ハンドドリップで味わうのもおすすめ。他にもフレンチプレスや水出しコーヒーなど、色々な飲み方があります。 日本では、まだ知名度の低い「ラオスコーヒー」ですが、日本でも購入できるので、抽出方法による味の違いを楽しんでみたいですね。
記事/Tomoko Watanabe