ラオスの儀式「バーシー・スー・クワン」
ラオスの伝統的な儀式「バーシー」はラオス人にとって、最も重要な儀式です。ラオスでは仏教が信仰されていますが、精霊信仰も残っており、「バーシー」はその信仰の儀式の一つです。
正式名称は「バーシー・スー・クワン」。健康と繁栄を祈る儀式です。新年や結婚、出産や新築のお祝い、死別などの人生の節目に行う神聖な儀式です。新年はラオスの多くの家庭で、この儀式から始まります。ラオス人は魂と身体がしっかりと結びついているのが健康な状態であると考えられています。人間の身体には32個のクワン(精霊)が宿っています。このクワンが体内にある時は幸せに過ごせ、体内から出てしまうと、不幸なことが起こるとされています。クワンが体内から出るのは結婚や誕生など人生の節目の時です。クワンが体内から出ないように、出てしまったクワンを呼び戻すために、この儀式が行われます。
祭壇に供えた白い糸の束でお祓いを行い、クワンが入り悪いものが出ていきますようにとお祈りをしながら、主役の手首に糸を巻きます。その後に参列者にもお祈りをしながら、ひとりひとりに糸を巻いていきます。この糸は3日間、外してはいけません。 儀式が終わると、参加者にお酒や料理がふるまわれます。
ラオスの伝統儀式「托鉢(たくはつ)」
ラオスでは、毎朝僧侶による「托鉢」が行われています。「托鉢」とは僧侶が信者から食料などを受け取り、信者に功徳を積ませるという修行です。毎朝5時半から6時半頃、僧侶が裸足でお寺の近くを回り「托鉢」を行います。信者が食料など寄付することを「喜捨」と言います。徳を積んだ信者は、来世でより幸せに暮らせると考えられています。
ラオスで初めて世界遺産に登録されたルアンパバーンは「托鉢」の規模が一番大きいです。
年に数回ある大きな仏教行事には、大規模な「托鉢」も行われます。
もしラオスを訪れる機会があれば、ラオスの伝統的な儀式を体験し、ラオスの文化を肌で感じてみるのも良いかもしれません。
記事/Tomoko Watanabe