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インドネシアを訪れたら一度は行きたい、ミステリアスな世界遺産「ボロブドゥ―ル寺院遺跡群」

1991年に世界遺産に登録された、インドネシアのジャワ島にある「ボロブドゥール寺院遺跡群」は、ジョグジャカルタから約42キロメートルのところに位置する世界最大の仏教遺跡で、ボロブドゥール遺跡とパオン寺院、ムンドゥ寺院の3つの遺跡から成り立っています。
いずれも780年から830年頃、ジョグジャカルタを治めていた仏教国のシャイレンドラ王朝により建立されました。しかし、シャイレンドラ王朝はその後に衰退し、代わってこの地を支配したサンジャヤ朝がヒンドゥー教国だったために、誰も訪れなくなったボロブドゥール寺院はジャングルに覆われ、伝説の遺跡となりました。
ムラピ山の噴火により埋もれたという説や、王朝の衰退、疫病のまん延などの説がありますが、1000年もの長い間、歴史から消えていたという謎は解明されていません。
そして1814年にイギリス人のトーマス・ラッフルズにより発見されました。

9層からなる「ボロブドゥール寺院遺跡」の構造

遺跡の総面積は約1.5万平方メートル、高さは34.5メートルもあります。盛り土の上に造られ、内部に空間がないのが特徴です。遺跡は9層からなり、1層の基壇、5層の方形壇、3層の円形壇のピラミッド構造となっています。この構造の基壇は「欲界(人間の欲望)」、その上の方形壇は「色界(悟りを求める)」、さらに上の円形壇は「無色界(物質世界から解脱)」の仏教の三界をあらわしています。それは、「悟りへの道」です。
方形壇の壁面は回廊になっており、時計回りに、仏教にまつわる物語のレリーフ(浮き彫り)や装飾用のレリーフが1460面にわたり彫られています。なんと回廊の総長は5キロメートルもあります。
円形壇は三層構造になっており、中央には大ストゥーパがそびえ、さらにストゥーパが72基並びそれぞれの中に仏像が納められています。

おすすめ「サンライズツアー」
ボロブドゥール寺院に行ったらおすすめなのは、日の出を見ることができる早朝のツアー「サンライズツアー」です。
遺跡の公園の敷地内に、以前は遺跡の発掘や調査を行う研究者のための宿泊所だった施設をホテルとして改装した「マノハラ・リゾートホテル」があります。
ここに泊まれば、「ボロブドゥール寺院」の入場料が宿泊期間中、何度でも無料だったり、「サンライズツアー」が特別な価格で参加できたりします。
ミステリアスな世界遺産「ボロブドゥール寺院遺跡群」、インドネシアを訪れたら、一度は行ってみたいですね。

記事/Tomoko Watanabe