1991年に世界遺産に登録された、「コモド国立公園」は小スンダ列島の中ほどにあり、主要なコモド島、リンチャ島、パダール島の3島と周辺領域からなる公園です。

コモド島の面積は390平方キロメートル、主要の3島を含む面積の合計は603平方キロメートルあります。コモド島の平均気温は25から29度。年間約8か月雨が降らない、インドネシアで最も乾燥したサバンナ気候です。

巨大生物「コモドオオトカゲ」とは

20世紀の初めにコモド島でヨーロッパ人が巨大生物の「コモドオオトカゲ」に遭遇し、そのトカゲを「コモドドラゴン」と呼びました。世界最大級の恐竜のようなウロコで覆われたトカゲ「コモドオオトカゲ」の大きさはなんと体長約3メートル、体重は100キログラム以上になります。毎時20キロメートルで走り、泳ぐこともできます。そして素晴らしい視覚も持ち300メートル先の場所を見ることができます。顎には、発達した毒腺があるため、噛まれると麻痺や出血によりショックを起こすこともあります。
この古代生物「コモドオオトカゲ」が今も生き残っているのは、コモド島周辺の潮流が非常に激しく、生態系が外界から隔絶されてきたという自然環境にあります。

現在、コモド島には、約2700頭の「コモドオオトカゲ」の他に爬虫類や鳥類、哺乳動物など陸生動物が生息。珊瑚礁が広がる周辺の海は1000種類以上の魚類やイルカ、クジラ、サメ、ジュゴン、ウミガメなど、生物も多様で、海洋生物保護区にも指定されています。

コモド島の見どころ

コモド島の見どころは、やはり「コモドオオトカゲ」。早朝に出発するツアーに参加すると、多い時には数十頭の「コモドオオトカゲ」に遭遇することができます。ただし、旅行者は船着き場と公園管理事務所周辺以外はレンジャーの同行がないとトレッキングは許可されません。なぜなら、野生の「コモドオオトカゲ」は朝と夕方に活発に動き、日中は動きが鈍く見えますが、相手を餌と判断した場合、もの凄いスピードで襲いかかるので、観察するときは注意が必要だからです。もう一つの見どころは、コモド島にある「ピンクビーチ」。透明なエメラルドの海に面した白い砂浜に赤い珊瑚が砕けてできたピンク色のビーチ。「パンタイ・メラ」とも呼ばれ、インドネシア語で赤いビーチを意味します。一度は訪れたい絶景ビーチです。

リンチャ島の見どころ

リンチャ島は約1000頭の「コモドオオトカゲ」が生息していますが、コモド島に比べ島が小さいので遭遇率が非常に高いのが魅力です。運が良ければ、熱帯雨林や草原地帯を歩くと、野生の水牛や鹿や鳥など、他の動物にも出会えるかもしれません。

パダール島はコモド島とリンチャ島の狭間に浮かぶ島。船着場から歩いて30分のところに、SNSでも人気の3つの入り江を一望できる美しい絶景スポットがあります。丘の上から見る景色は感動的な大自然が広がっています。実はパダール島には「コモドオオトカゲ」は生息していません。餌となる動物を食べつくしたため、絶滅してしまったと言われています。

「コモド国立公園」は開発が進み、最近、観光地として注目されているエリアです。 インドネシアの島と海の豊かな自然を楽しんでみるのはいかがでしょうか。

記事/Tomoko Watanabe