魚介類を食べることが多い日本人ですが、世界の魚介消費量第1位はなんとインド洋に浮かぶ約1190の島から成る「モルディブ」です。1日の消費量は381グラム。ひとつひとつの島が小さく、食肉を量産する手立てがないため、海に囲まれているモルディブでは魚がたんぱく源になってきました。そのためモルディブは古くから漁業が盛んで、魚の中でも特にマグロやカツオを多く食べます。
モルディブ料理は、ココナッツミルクやスパイス、特に魚(マグロ、カツオ)が欠かせません。日本ではあまり馴染みのない「モルディブ料理」ですが、魚介が欠かせないモルディブ料理とはいったいどのような料理なのでしょうか。
モルディブ料理のご紹介
1.モルディブの伝統料理「ガルディア」
モルディブの伝統料理と言えばやっぱり「ガルディア」です。モルディブに古くから伝わる家庭料理ですが、祝い事やお客をもてなすときにも出されます。「ガルディア」とはカツオの切り身が入ったシンプルなスープです。風味付けにカレーリーフや玉ねぎや唐辛子などが入っていることもあります。ご飯にカツオの切り身をのせ、玉ねぎのスライスやココナッツのスライスなどをかけ、スープを少しづつかけながら混ぜて食べるのがモルディブ流。ライムを絞って食べるとより一層美味しくなります。
2.モルディブの国民食「マスリハ」
近隣諸国のスリランカやインドの影響を大きく受けているモルディブの国民食と言えば「マスリハ」です。「マスリハ」の「マス」は魚、「リハ」はカレーを意味し、モルディビアンカレーとも呼ばれる魚のカレーのことです。スパイスとココナッツミルクが入っていてスープカレーのような感じです。1日2食、または3食カレーを食べることもあります。一般的によく食べられているのは魚のカレーですが、他にも豆カレーや野菜カレーなども食べます。
3.朝食によく食べられる「マスフニ」
「マスフニ」の「マス」は魚、「フニ」はココナッツを意味し、モルディブの朝食の定番です。魚とココナッツフレーク、玉ねぎや菜っ葉のみじん切りを合わせて、ライムや唐辛子で味付けしたものです。それをモルディブの主食「ロシ」(小麦粉を薄く焼いたもの)に巻いて食べます。
4.モルディブのローカルフード「ヘディカ」
モルディブではアフタヌーンティーを楽しむ文化があり、その際に「ヘディカ」というショートスイーツ(おやつ)を一緒に食べます。「グラ」(カツオやココナッツフレークを小麦粉で包み油で揚げたもの)や、「カトゥレット」(カツオのフレークやじゃがいもをスパイスと混ぜ、パン粉をつけて揚げたもの)、など甘いものからピリ辛なものまで種類が豊富です。
それらを紅茶や甘いミルクティーと一緒にいただくのが「サーボーン」。
アフタヌーンティー(ディベヒ語でサーボーン)はモルディブを代表する食文化です。
魚介消費量世界第1位のモルディブは、海に囲まれているために海産資源も豊富です。日本と食文化は違いますが、魚をよく食べるという点では共通しています。その国を知るためには食文化を通して知るのが一番良い方法かもしれません。
記事/Tomoko Watanabe