熱帯雨林のジャングルが広がる「キナバル公園」
「キナバル公園」は2000年12月にマレーシアで初めて世界自然遺産に登録されました。
世界で3番目に大きな島、ボルネオ島の北西部がサバ州で、熱帯雨林のジャングルが広がる、希少動植物の宝庫として知られています。「キナバル公園」はそのボルネオ島にあり、標高4095メートルの日本の富士山より高いキナバル山を含む3つの山を中心とした国立公園です。サバ州で最初に州立公園に指定されたこの公園は7万5400ヘクタールにも及ぶ広大なエリアからなります。
キナバル山は麓に住む部族の人々の間から祖先の魂が眠る地として崇められてきた聖なる山です。山頂を目指す場合、登山道は整備されガイドの同行も義務づけられているので、登山経験がない人でも安心して登頂することができますが、ハイキングコースも歩くだけでも十分楽しむことができます。
熱帯雨林のジャングルには世界最大の花「ラフレシア」や食虫植物の「ウツボカズラ」など5000種類以上の植物が自生しており、絶滅危惧種の動物も多数生息しています。
世界最大の花「ラフレシア」はボルネオ島の植物で最も有名な植物です。最小でも直径30センチ、最大ではなんと1メートル近くになります。光合成ができないため、他の植物に寄生して成長します。つぼみの時期は約9か月ありますが、開花すると数日で枯れてしまうことから、「幻の花」とも呼ばれています。運が良ければ「ラフレシア」を見ることができるかもしれません。
「ウツボカズラ」は70種がマレー半島、ボルネオ島、などの熱帯アジアに自生する常緑のつる性食虫植物です。袋状の葉の中に昆虫などの小動物を誘い込み補助的な養分としています。
キナバル公園を訪れたなら、足を延ばして「ポーリン温泉」も訪れたい
「ポーリン温泉」はキナバル公園本部から車で約20分のところにあります。ポーリンとはドゥスン族の言葉で「竹」を意味しており、「ポーリン温泉」の周りには多くの竹が生い茂っています。この温泉は第二次世界大戦中に日本軍が掘り当てたものですが、現地の人々は温泉に入る習慣がなかったため、その後は放置されました。しかし1970年代に温泉は再び整備されて国立公園の一部となりました。
無料の屋外風呂と有料の屋内個室がありますが、水着が必要です。「ポーリン温泉」は地元の人から観光客まで連日賑わっています。
スリル満点の「キャノピーウォーク」
「キャノピーウォーク」は地上約40メートルの木と木の間にロープをかけ、人1人が通ることができるぐらいの幅しかない吊り橋のことです。もともとは、熱帯雨林の研究用に造られたものです。吊り橋からの景色は絶景でスリルを味わう体験ができ、アトラクションとしても人気があります。
東南アジア最高峰のキナバル山に登り大自然を体験し満喫したら、温泉にゆっくりつかり疲れた体を癒すのはいかがでしょうか。
記事/Tomoko Watanabe