マレーシアの紙幣には、それぞれにテーマに沿ったデザインが描かれています。青色の紙幣のテーマは「伝統的スポーツ」。青色の1リンギット紙幣の裏側に描かれているのが「マレー凧」です。
マレー凧の素材
マレー凧は、色紙を重ねて創作されています。凧の骨組みは、竹を使用していて、しなり具合が大切です。竹を割って2週間、泥に浸して素材の柔軟性を高めたものを使用します。台紙になる紙を、カッターで細かく模様部分を切り抜きます。その切り絵の模様が象徴するものがあります。花は、女性。鶴は、男性。色紙の華やかさの中に、意味が含まれています。マレー凧は、見た目の芸術だけでなく「ワウワウ」と風にのって鳴る音も、重要と考えられています
パシルグダン国際凧祭り
もともと季節の行事として、稲刈りの直後に「マレー凧あげ」が行われていました。年月が経ち、1995年から毎年3月にジョホール州の最南端にある町パシルグダンで開催される「国際的なお祭り」に発展しました。
凧あげ文化は、風の力を読んで世代を超えて楽しめる1つのアイテムとして大切にされています。国内外の観光客が参加者として、パシルグダンに集まります。このお祭りは、凧あげを見るだけでなく、会場で一般の方も自分の凧をあげられるコミュニティ中心の楽しい企画もあり、お祭りを盛り上げています。
クランタン州
マレーシア東海岸の北部に位置するクランタン州。東海岸は「クランタン州、パハン州、トレンガヌ州」の3つの州から構成されています。クランタン州は、マレー系の人口比率が90%以上と非常に高く、イスラム教徒が多く住みます。イスラム教徒が多い地域に存在する州王「スルタン」が存在する州。スルタンが出現したのは、1400年頃に建国されたマラッカ王国時代。クランタン州は、マレー文化の発祥地といわれています。マレー人が伝統文化を、ここで守っています。クランタン州の凧は「ワウブラン(月の凧)」という三日月のように見える形をしています。マレー語で、ワウ=凧、ブラン=月という意味。各州によって他に、猫凧、鳥凧、魚凧などの種類があります。
クアラルンプールからクランタン州の距離
クアラルンプールからクランタン州の州都であり王都コタバルへ、高速バスで7時間、飛行機で1時間でアクセスできます。コタバルの人口は、約50万人。コタバルは、マレー語で新しい町という意味。マレーシアを代表する文化都市です。クアランプールは、セランゴール州の中にある特別領です。セランゴールの中に位置していますが、全く別の州となります。
アジア各国で馴染みのある凧。どの国や場所でも、創作する文化を体験、実演、製作工程、製作時間のかけ方など「軽くて丈夫な凧」を創る方法の勉強や、工夫に繋がります。
見たことのないデザインの凧は、興味深く、その地域の事を楽しみながら知るきっかけになりますね。
記事/Ami Inoue