古くから貿易港として、日本、中国、オランダ、ポルトガルの商船が多く滞在した都市ホイアン。16~17世紀にかけて貿易の中継地点として、最も栄えていました。
貿易陶磁博物館
ホイアンの中心部を通るチャンフー通りに、民家を改造した「貿易陶磁博物館 ぼうえきとうじはくぶつかん」が1995年に開館しました。文化経済関係の発展、交流、繁栄期を表す歴史的遺物と陶磁器の工芸品だけでなく、古代の花瓶、皿などが展示され貿易の内容がよくわかります。日本とホイアンの国交が絵巻として残っています。
ランタン祭り
毎月旧暦14日、満月の夜に「ランタン祭り」が行われ、年間12回行われるお祭りは、世界でみても珍しいです。1998年にホイアン観光局が町おこしに開催し、ランタン祭りの日として定めました。ホイアンでは、いたるところにランタンをつるして邪気をはらう風習があります。ランタンの軸は竹、職人が手作業でつくっています。風情溢れるホイアンの町は、ランタンだらけで毎日ナイトマーケットが開かれ、お祭りを楽しめます 。
来遠橋
歴史保護区の中心にあり、ホイアンの西側に位置、チャンフー通りとグエンティミンカイ通りを繋ぐ橋です。日が暮れた頃に訪れるとライトアップされる橋を見ることができます。1593年に、領主が日本人を懐かしみ遠くからやって来る友人の橋という意味で「来遠橋」と名付けられました。日本人が建設したと言われており「日本橋」とも呼ばれています。当時のベトナムと交易をしていた外国の商人たちがホイアンに住み、日本人は1000人の人々が住んでいたそうです。橋の長さは、15mの屋根付きで、中央が太鼓橋のような石橋です。地元の住民もこの橋を使い、来遠橋をほとんどのベトナム人が知っています。橋の下は、トゥボン川でランタン祭りの夜には、灯篭が流されます。川沿いには、レストランが並び、木造の手漕ぎボートに乗る人や、灯篭流しを始める人が集まり賑わいます。
ベトナムの紙幣
「新2万ドン 約100円」紙幣の裏面に来遠橋が印刷されています。ベトナム語でドンは、銅を意味します。
川沿いの生活
トゥボン川の上流、クアンナム省ミーソンの山々には大雨が降ります。海抜の低いホイアンは、2年に1度は、洪水になり、長年住民は共生してきています。水没するエリアでは、声をかけ合い、笑いながら、たくましく川辺の生活しています。何度も起こる洪水なので、町中を遊覧体験するボートツアーも開催されます。ベトナムと日本は、2023年に国交樹立50周年を迎え発展の期待が込められています。
記事/Ami Inoue