culture 素晴らしい文化

世界で幅広く使用されている「コショウ」世界2位の生産量を誇るベトナム

ベトナムの地元の朝ごはんとして定番のフォーにもかけるコショウ。世界に流通している40%がベトナム産のコショウです。ベトナム語でコショウは「Hat tieu(ハット ティエウ)」といいます。

コショウ(胡椒; 学名: Piper nigrum)はコショウ科コショウに属するつる性植物の一種で、果実を原料とする香辛料として利用されています。コショウは、房状の小さい実をつけ、果皮の色は熟れるにつれて変化します。

コショウ畑
ベトナムの各地にありますが、南部に位置するフーコック島で栽培されたコショウの品質は優れており、胡椒の香りが広がる畑見学も無料で自由にできます。

栽培
つる性の植物や倒れやすい植物を育てる時に使う「支柱」に、まきつけるようにして育てます。果実をつけるようになるのは3年かかり、大人の身長を超える高さまで育ちます。ベトナムの人口9千万人のうちの半数が農業関連の仕事についています。世界の熱帯域のマレーシア、インドネシア、ブラジルなどで広く栽培されています。

コショウの種類
形状別で3種類「粉末、粗びき、コショウ豆」があります。収穫時期や処理の仕方で4種類「黒コショウ、白コショウ、ピンクペッパー、グリーンペッパー」一部ピンクペッパーは、ウルシ科のコショウボクという植物の果実を指します。ベトナムには、高価な種なしコショウ「バウマイ」、ベトナムのお土産といえば「ライム塩コショウ」というコショウが人気です。普段使い、お肉や魚介料理に合い万能調味料です。

歴史
インドで2500年前の紀元前500年代に生産されたコショウが、ローマ・ギリシャ時代には医薬品や食用として世界各国で高級なものとして使われていました。コショウの持つ「ピぺリン」の抗菌・防菌効果があるため冷蔵庫がなかった中世ヨーロッパ時代に重宝され高価で取引されていました。肉食文化が主流なヨーロッパでは、需要が高まりました。

効果・効能
コショウの辛さの元であるアルカロイドの1種「ピぺリン」が主成分で黒コショウに最も多く含まれています。血圧低下作用により血圧が高めの方の血圧を改善し、正常な血圧を維持する。体を温め、食欲増進、栄養の吸収をスムーズにする働きなどがあります。コショウはよくない菌に働きかけるので、体内から健康的になれ、鎮痛効果があるので、歯痛や腹痛の際にも重宝します。健康や美容に役立ちますが、ピぺリンには強い薬理作用があるので、食べすぎに気をつけてください。黒コショウは、未熟の緑色の果実を、そのまま天日干しし、直径5、6mm。果皮に辛味成分が多いです。

保存方法
コショウに含まれる有効成分は、紫外線や熱により失われやすいです。温度の高い場所を避け、冷蔵庫の中でも大丈夫です。最もよいのは、粒のまま保存し、使う時にミルで挽くことです。風味が良くコショウの持つ効果を得られます。今まで、コショウにこだわりをもって使っていなくても、栄養効果がこんなにあることを知ると今後、料理の下ごしらえや、温かい麺類を食べる直前につかうなど、調味料をいろいろ試してみたくなります。ベトナムでは、昼間からお鍋を食べるほど豊富な種類の鍋があります。暑い中、いろんな場所で鍋が食べられ、具材で生コショウを入れる店があります。ベトナムの鍋文化の特色を知るのも面白いですね。

記事/Ami Inoue