アオザイとは、ベトナムの伝統的な民族衣装のこと。色鮮やかで、シルエットの美しいアオザイは、世界で最も美しい民族衣装とも言われています。英語やベトナム語では「Ao Dai」と書き「アオ」は上衣、「ザイ」は長い、合わせて「長い上着」という意味を持ちます。アオザイに着替えて参加する食事会など、楽しい瞬間です。
アオザイの特徴
アオザイは、スリットの高く入った長いドレスでぴったりと体を覆うシルエットのサイズが綺麗とされている為、オーダーメイドが基本です。小さいサイズから大きいサイズまで個人に合ったアオザイ製作が可能です。信頼、安心できるお店を選び、一点物の自分だけのアオザイが着れる事は、伝統衣装の中では珍しく価値があります。鮮やかなアオザイは、ベトナムの歌、詩、絵画にも影響を与えています。ベトナム語の発音には地域差があり、ベトナム北部「アオザイ」、南部「アオヤイ」と言います。
生地選び
滑らかな肌触りで、肌に優しいものがオススメです。コットン、麻などが一般的で、高級なものには、シルクがあります。生地の種類は、無地から刺繡まで幅広く、好みを反映し美しく着こなすことができます。クアン(パンツ)は、白色がどんな上着にもよく合い上品に見えます。着用の場に合ったデザインをイメージしながら選ぶ時間は、楽しみの一つです。
5つの留めボタンの意味
儒教の五徳「尊敬、高貴、頭脳明晰、女性らしさ、セレブリティー」を意味しています。
アオザイの色の意味
金色 vàng 王朝時代の皇族の色
赤色 đỏ テトの期間、結婚式
白色 trắng 南ベトナムの女子高校生の制服、北ベトナムではそのような規則はありません
黒色 đen 葬式
五行思想、生まれた年の風水(金、木、水、火、土)に基づいて色を選ぶこともあります。
アオザイは、民族によって、色についての観念や連想、宗教観が違います。
歴史
18世紀清朝(中国)のチャイナドレス「旗袍 チーパオ」が起源とされています。19世紀にフランス統治下の影響で西洋のようそが取り入れられ、多様なアオザイが現在では、ホテルや航空会社CAの制服で見ることができます。現地の人が、普段の生活でいつも着ているわけではありません。
教師の日
ベトナムでは、毎年11月20日「教師の日」と定められています。ベトナムでは、教師に対する尊敬の念を表す日です。アオザイを仕立てるための生地が学校から先生へプレゼントされる学校もあります。女性教師は、その日はアオザイを着て学校に行きます。ベトナムの教師には、威厳があり、生徒から憧れ、尊敬されています。
他国の民族衣装と比べて、着られる頻度が多い民族衣装。展示されているアオザイを見て楽しむ、着て特別な気分を味わえます。ベトナムに対する理解を深めるために、縫製が好きな方は、半日でできる縫製教室に参加して文化を楽しく体験をしてみるのも良いですね。
記事/Ami Inoue