culture 素晴らしい文化

国全体の3/4が山岳地帯、ベトナムの国樹「竹」とは

熱帯地域に力強く育つ竹は、無性繁殖を繰り返して毎年新竹を発生させます。ベトナムの生活で、食料、燃料、住居などに使用されています。ベトナムで竹は、生活や文化と密接に繋がりを持っています。

ベトナム全土に生えている竹は、抗菌性、抗酸化性、鮮度保持能力に優れています。竹の栽培には農薬は不要で、生長力が早く3年で成木になります。竹は、「竹」「笹」「バンブー」の3種類に分けられていています。竹そのままの丈夫さを生かし、職人が器用に調節しながらさまざまな竹細工を作成しています。

竹ストロー
ムオン族、エデ族などがお祭りや、結婚式で、壺酒「Rượu cần (ルオウ・カン)」を飲む時に長い竹ストローを使います。ベトナム語で、酒「Rượu (ルオウ)」竹ストロー「cần (カン)」と言います。最近では、飲食店でも竹ストローは一般的に使われており、海外への輸出もされています。

竹飯 
森林が多い山岳地帯の住民が食べている、竹の筒にもち米を入れた「Cơm lam (コムラム)」をゆっくり炭火で焼きます。

竹建築
竹をテーマにした、竹を束ねて造る生活空間は、自然光が入り、建物全体に風を循環させます。地域に寄り添い、知恵や文化を取り入れる為に時間をかけて設計されています。竹は、繊維方向に大きく曲げても折れない靭性が高く、今までに見たことがない曲線の空間が竹で造られています。天然素材の耐久性を高めるために水につけ腐らせ燻製にしています。

鳥かご
カフェ、食堂、家の前などに吊るされてあり、街中でよく見かける、竹ひごを曲げて造られた円形のドーム型、四角い型があります。ベトナムには、小鳥の鳴き声を愛でる文化があり、鳥を飼ってる人が多いです。

帽子ノンラー  
竹ひごで円錐型の骨組みを作り、それが出来映えを左右させます。ベトナム語で「Nón lá (ノンラー)」と言い、暑く湿気の多いベトナムで重要な役割を果たしています。

行商人の天秤棒
両方のカゴに荷物や野菜などを入れて肩で担ぐ、棒の部分が竹です。生活用具の1つで、物売りの女性が商売道具として使います。

竹船
漁村、果物を売る時、学校に行く時などに竹船が使われます。竹船は、竹ひごを編んで、船の形にしたら、防水の為に高温で溶けたアスファルトを塗ります。ハロン湾水上村では、学校へ行く子ども自身で竹船を漕いで海上にある学校へ向かいます。

アクロバティックショー全てに竹をつかった「A O show アオショー」
雑貨街ドンコイ通り沿いに位置する「市民劇場 サイゴンオペラハウス」で定期的に公演。「ああ」「おお」と感嘆の声が上がるSHOWという意味から名づけられました。ベトナムの生活や文化、今と昔をアクロバティックに表現。竹細工を迫力あるパフォーマンスで表現されます。ベトナムの生活習慣と、幻想的なパフォーマンスと複数のストーリーがあり「今と昔」を「光と音」で再現していて楽しめます。公演は、1時間。3階席の劇場で、チケットは3種類となっています。2013年2月より公演。普段一般開放をしておらず、市民劇場に入れるのは、オーケストラやショーなどイベントが開催される時のみです。

航空機
2017年に設立された、ベトナムで最初の5つ星サービスを提供する「バンブー・エアウェイズ」。航空機にベトナム竹のロゴが描かれています。バンブー・エアウェイズでは、緑色は若さと活力を表しています。

ベトナムの首都ハノイにある「ハノイ36通り」は、商業の街として栄えた場所で、売る商品で商業区分されています。竹製品、仏具、籠、調理器具、漢方などが通りごとにあり、商品の名前が各通りについています。たくさんの店がびっしり並ぶ、1000年以上の歴史がある、魅力の詰まった通りにたくさんの人が足を運びます。是非、ベトナムの竹製品を探してみてくださいね。

記事/Ami Inoue