セラドン焼は、13世紀にタイ文字を考案した第3代ラームカムヘーン大王が中国から陶工を呼び寄せて生産した焼きものです。中国が起源で、東アジア各国に広がりました。中国の技術が入ってきたことで、この時代に焼き物の技術が開花し向上しました。
サンスクリット語で「セラドン=緑色の石」という意味です。セラドン焼きの色は、濃い物から薄い物まであり、スベスベした手触りで、涼しさや軽やかさを感じる色合いです。
第3代ラームカムヘーン大王
1279~1298年、最も繫栄した時代の王です。中国との貿易も行い、陶磁器製造技術を持ち込みました。
全て天然の原料
タイ北部の鉄分を含む土を使い、素焼きをします。セラドン焼きの淡い緑色は、木灰の釉薬を使い高温で焼いて出来たきものです。釉薬(ゆうやく)とは、陶磁器の表面を覆うガラス質のことです。本焼きをすると釉薬が高温で溶けて、つややかな表面の輝きになり、硬度を与えます。
釉薬の3つの成分
「塩基性(えんきせい)、中性、酸性」の物質からできています。
ひび割れ模様
貫入(かんにゅう)というものです。1200℃の高温で焼かれた後に冷却することで生まれる模様です。セラドン焼きは、コップ、お皿、ボウル皿、ティーポット、お茶椀、シェードランプ、花瓶など一つ一つ手作りされます。
チェンマイのセラドン焼き工房
1978年に創業「サイアム・セラドン工房」
1989年に創業「チェンマイ・セラドン工房」
1989年に創業「バーン・セラドン工房」
があります。チェンマイ・セラドン工房は、チェンマイ最大の工房で10,000㎡以上の敷地面積がある美しい工房です。
物づくりの伝統と精神は、職人の元へ訪れて交流することで、より深く理解ができます。職人は、作陶経験と伝承で技術を身に着けてきました。その土地の土や、天然原料を知ることも大切ですね。
記事/Ami Inoue