ルビーの赤色は、原産地ごとに微妙に異なる色合いがあります。赤一色に思われがちですが、100種類以上の色が存在します。ルビーは、ラテン語で赤を意味する「ルフス」という言葉がその名前の由来です。
世界中でルビーは、ほんのわずかな鉱山からしか採掘されません。産地が東南アジアに集中していて、この千年間で最も高評価のルビーは、ミャンマー産のものです。ミャンマーは、ルビーを国石としています。
最高品質の価値
品質評価で最高級とされるものが「ピジョンブラット=鳩の血」と呼ばれる色です。濃くて鮮やかな赤い輝きを放ち、モゴック鉱山でのみ産出される貴重なルビーです。
ルビーの鉱物名「コランダム」
コランダムとはアルミニウムの酸化鉱物です。コランダムのうち、赤い物がルビー、それ以外の色は、全てサファイアとなります。古代から現在に至るまで人気のある宝石とされています。
ミャンマー最大の鉱山地区モゴック
ミャンマー北部中央に位置するビルマ最古の鉱山です。標高1,500mに位置する涼しい町で早朝には、霧が発生する山と湖に囲まれた場所です。ここで、世界最高品質の上質なルビーが産出されています。モゴックは、ルビーやサファイヤで古くから有名ですが、スピネル、ラピスラズリ、ガーネット、ムーンストーン、ペリドット、クリソベリルなどの半貴石もあります。
モゴック市
マンダレー管区の都市です。2018年にモゴック市の創設800周年を記念しました。モゴックの活気あふれる市場では、様々な種類の宝石を目にすることができます。モゴック市は、2014年まで外国人の立ち入りを禁じていましたが、民主化になってから旅行で市場まで行けるようになりました。
大理石の母岩(ぼがん)
モゴックでは、中に入り込んでいる石を直接取り出す硬岩採掘(こうがんさいくつ)という方法をとります。モゴックの町は、西モゴックと東モゴックの2つに分かれています。西モゴックの入り口には、宝石の採掘でできた湖もあります。
母岩
鉱床(こうしょう)を取り囲む岩石。鉱物を含む岩石。土砂になる前の、もとの岩石です。ルビーは、「非玄武岩起源」と「玄武岩起源」と2つに分けることができます。ミャンマーのルビーは、「非玄武岩起源」です。
鉱山の鉱夫
爆薬を使用してトンネルの壁を爆破します。
世界4大宝石
ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルド。
ルビーは、非常に丈夫で硬度9の割れにくいという特性を持った宝石です。価値ある自分の好きな美しいルビーを探してみるのもいいですね。
記事/Ami Inoue