ミャンマーでは、熱帯の強い日差しの中、菩提樹に水をかけて祝うお祭りがあります。菩提樹は、寺院などに植栽されておりミャンマー人にとって菩提樹は、とても大切な木です。ミャンマー語で「菩提樹=マハ―ボーディーピン」と言います。
仏陀が瞑想を行い功績を残したといわれる菩提樹に水を注ぐ儀式が行われます。誰でも参加することができ、ビルマ暦のカソン満月は、とても重要な日です。
ミャンマーにある2種類の祝日
独立記念や国軍記念「国家の成り立ちに深く関わる祝日」と、仏教の考えから生まれている祝日があります。
カソン(5月)満月の祝日
ミャンマー暦の2番目の月で、5月は「カソン月」と呼ばれ、仏陀が生まれた日、仏陀が菩提樹(ぼだいじゅ)の下で悟りを開いた日です。仏教国の方にとってとても重要な月です。
カソン3つの意味
仏陀(ぶつだ)が生まれた日、仏陀がこの日に悟りを開いた日、お釈迦様の終焉(しゅうえん)の日です。
ビルマ暦
ミャンマーで使用されている独特の暦で、1週間が8日あります。水曜日のみ午前と午後で違う日付として数えられています。曜日それぞれにシンボルとなる動物や方角、支配星があります。ビルマ暦で新年を迎えるのは、4月です。
5月は、毎日が猛暑で40℃以上
月の平均気温が24℃~33℃ 年間を通じて降水量が多く、湿度が80%と高いです。 ミャンマーの季節は、雨期「6~10月」、乾期「11~2月」、厚期「3~5月」、に分けられます。1年で一番暑いのが5月です。
壺で水を運ぶ
壺に水を入れて、菩提樹の根に水をかけます。
シュエダゴン・パゴダ
1057年に建てられパガン黄金期の中では、初期の建築で高さは、100mあります。南部の都市ヤンゴン、ミャンマーの旧首都に位置し、ミャンマーで一番有名なパタゴです。ミャンマー語で「シュエ=黄金」という意味です。豪華な装飾は、ミャンマーの人々の寄進によるもので人々の信仰心の厚さの表れです。シュエダゴン・パゴダの一角に立派な菩提樹があります。「ヤン=敵」、「ゴン=克復する」という意味です。ヤンゴン管区域に全人口の15.3%が集中しています。
菩提樹は、仏教と深い関係
元々菩提樹の木は、お釈迦様が悟りを開いた場所にあった木です。2018年にカソン満月祭りは、35周年を迎えました。菩提樹は、東洋では、宗教色の強い植物として、紙に近い信仰と敬愛を受けています。仏教では、水晶、サンゴ、宝石など様々な素材が数珠の素材として使用されおり、その中でも菩提樹の実は、特別な存在です。
菩提という言葉
梵語(ぼんご)の「正しい悟りの智」を意味するbodhiという言葉に由来しています。
仏教の三大聖木
・無憂樹(むゆうじゅ) お釈迦さまに縁(ゆかり)のある木。アショーカというマメ科の植物。
・印度菩提樹
お釈迦さま悟りの木。インド原産のクワ科フィカス属、熱帯アジアを中心に神聖な樹として植樹されています。
・沙羅双樹
お釈迦さま入滅の木、フタバガキ科の植物。淡い黄色の花を咲かせる木のことです。
釈迦がその下で「悟りを開いた」ということで知られ、その由来から、寺院の庭園などによく植えられる菩提樹を枯渇しないように、これからも大切にしたいですね。
記事/Ami Inoue